夫婦別姓という結婚の形はアリ?日本の婚姻制度とメリット・デメリット

「結婚しても変わらない苗字を名乗りたい」
「夫婦別姓という選択をしたい」
結婚を機にどちらかの苗字になることが当たり前だったのは今や昔、…最近ではお互いがそれまでの苗字を名乗りたいと思っている夫婦が増えています。
日本では、よほどの理由がない限り妻が夫の苗字に代わるのが一般的でしたが、なぜ女性が夫の苗字に変わらなければいけないのか、考えたことはあるでしょうか。

本記事では夫婦別姓とは何かに加え、メリット・デメリットについても解説します。

 

日本では原則として夫婦別姓は認められていない

原則として、日本ではまだ夫婦別姓が認められていません。
結婚を機にどちらの姓を名乗るのか、夫婦間で決めなければなりませんが、96%を超える夫婦が夫の姓を名乗るという決断をしています。
従来の結婚後は夫が外で働き、妻が家を守るという固定概念が大きく関係していますが、働く女性が増える現代においては時代錯誤のように感じる方もいらっしゃるはず。
また、夫婦同姓を強制されることで、結婚に対するイメージが低下し、結婚しない洗濯をしている人がいても不思議ではありません。

そのため、今後は法改正による夫婦別姓という選択が検討されることが予想できます。

 

男女ともに2割は夫婦別姓を希望

仮に選択的夫婦別姓制度が認められた場合、夫婦別姓を希望するのは男女ともに2割という結果となっています。
2割という結果に、「そんなにいるの?」と驚かれている方もいらっしゃるかもしれませんね。
もちろん、中には結婚を機に夫(妻)の姓になることを希望する人もいます。
愛する人の姓になりたいという純粋な気持ちがあることが伺えますが、それでも2割が夫婦別姓を希望していることを考えると、今後さらに増加することが予想できるでしょう。

 

現行は夫婦別姓を希望する人は「事実婚」を選択

前述したように、日本はまだ法制度として夫婦別姓が認められていません。
そのため、何らかの理由がありどうしても別姓を希望するのであれば「事実婚」を選ばなければいけないのが現状ですが、事実婚となると、実際には婚姻関係とは認められないためさまざまな弊害が生じてしまいます。
残念ながら、「愛しているから」、「夫婦になりたいから」、という気持ちだけでは選択できません。

 

結婚後、夫婦別姓のメリット・デメリット
日本は夫婦別姓が認められていませんが、実は世界で唯一の夫婦同姓制度が敷かれた国であることをご存じでしょうか。
私たちの「当たり前」は世界から見ると異例であり、国連からは同姓を強制する制度を改善するようこれまでに複数回勧告されていることからも深刻な問題となっています。

ここで、夫婦別姓を選択することについてのメリット・デメリットについて考えてみましょう。

 

メリット

まずは、夫婦別姓を選択するメリットからみてみましょう。

● 仕事に支障がなくなる
● さまざまな手続きがなくなる
● プライバシー保護
● 結婚を機に変化がなくなる
夫婦別姓は、メリットが多くあります。
最大のメリットで言えば、それまでの生活と変わらないこと。
結婚を機に姓が変わると、さまざまな手続きが必要となりますが、夫婦別姓であればそういった手続きもなくプライベートで結婚したという事実のみです。

また、呼び方が変わることで、旧姓に愛着があった方は寂しさを感じることもありますが、夫婦別姓であれば仕事やプライベートでも変わらない生活を送ることができます。

 

デメリット

夫婦別姓を選択するデメリットはあるのでしょうか。

● 事実婚となる
● 子どもがどちらの苗字を名乗るのかが問題となる
● 相続権が認められない
● 各種控除などの優遇を受けづらい

現在、夫婦別姓が認められていないことで事実婚を選択しなければいけない点が一番のデメリットと言えます。
生活は夫婦であっても、法律上夫婦とは認められていないので、相続権が得られなかったり、配偶者としての控除などを受けることもできません。
さらには、事実婚の状態で子どもが生まれた場合には、子どもは母親の姓を名乗ることになり、父親の姓を名乗る場合には養子縁組の手続きが必要となるなど容易ではないなど、法律上認められていないことでのデメリットが多くあります。

 

夫婦別姓を実現するためには?

今後、夫婦別姓を実現するためには、民法そして戸籍法の改正が必要となります。

テレビなどで夫婦別姓についての議論が行われている様子を目にしたこともあるのではないでしょうか。
法改正は段階を踏んで、さまざまな専門家の意見などをもとに行われるため時間も要します。
すぐには難しくとも、長い目で未来に向けた自由な選択ができる日を期待しましょう。

 

結婚後、自分らしさを貫くためにも「夫婦別姓」という選択肢~まとめ~
従来の結婚したら、妻が夫の姓を名乗るというのは、現代の日本には見合っていないと感じる人もいらっしゃるでしょう。
別姓でなければいけないというわけではなく、自分の姓を自分で決めるという「自分らしさ」を追求できる世の中になれば、より自由さを感じられますし結婚のハードルも下がるのではないでしょうか。
すぐには難しくとも、近い将来夫婦別姓が認められて自分たちで夫婦の姓やあり方を選べるようになることを期待したいですね。